選択科目
◆ 薬理学的および生理学的な測定法と、エンドポイント設定の実際
: マスターコース担当スタッフ全員
研究仮説を明確化・定量化する方法(薬理学的および生理学的な測定法とエンドポイント設定の実際)について様々な臨床分野における事例を中心に学ぶ。
また、有効かつ倫理的な試験の実施法についての実際も学ぶ。
◆ 臨床研究ケーススタディ: マスターコース担当スタッフ全員
様々な臨床分野における優れた臨床研究の事例をとおして、臨床的問題点の具体化、スタディデザインのrationale、研究チームの運営法(多施設共同研究を含む)、陥りやすいピットフォール、限界と克服法等々について、活きた知識・知恵を身につける。
◆ 臨床薬物動態学: 小林教授
理論とWinNonlin等のソフトを用いた演習から構成される。
薬物の体内動態を知ることは、薬効の判別および安全性の評価に重要である。
薬効は標的部位の受容体等の効果器に薬物が結合して薬理作用を示すことで現れる。
消化管吸収や初回通過効果は薬物によって大きく違っており、これらは薬効発現に大きな影響を及ぼす。
一方血漿あるいは特定臓器組織への親和性は薬物消失に影響することがある。
肝の薬物代謝は脂溶性薬物の消失律速となることが多い。
一般に薬物は単回の使用で終わらず、一定期間の連続使用を前提としている。
このことから反復使用時の動態が重要となる。また代謝物や排泄経路の定量的把握が必要となる。
健常人を対象とした試験では経時的な採血による血中動態の評価が可能であるが、適用が想定される患者においては、最小時点の試料しか得ることができない。
このため集団として動態解析するのが一般的である。
実験動物と違ってヒトは、動態系に個人差が多く、この差を生じる主要原因の解析も重要な要素となる。
◆ 臨床薬力学と薬物の至適使用法: 小林教授
臨床試験におけるリスクマネージメントとテーラーメード医療-TDM、SNPs解析による投薬設計を含めて概説する。
◆ ゲノム遺伝医学の基礎: 小見山准教授
ゲノム情報の基礎研究成果を診断や治療に役立てるには、適切な遺伝学の知識を理解することが基本となる。そこで、本講座では臨床、生物統計学、遺伝学のそれぞれの観点からその方法論を理解し、臨床における深い洞察力を踏まえたゲノム遺伝学の見識を有する人材の育成を目指す。
◆ 臨床研究の倫理的・法的側面: 宇都木法学部教授(予定)
臨床研究の計画・実施において研究者に要求される研究倫理や法的側面の基礎事項を認識し、臨床研究に内在する倫理的および法的問題を十分に理解することを目的とする。そして、事例研究、文献抄読、スモール・グループ・ディスッカッション、ミニレクチャー等を通して、学習者各自が研究倫理の必要性や倫理的にコンセンサスが得られていない領域について、深く考察することが求められる。